小型二次電池の市場動向


 携帯電話向けにニッケル水素電池とリチウムイオン電池が急テンポで進展しています。特にリチウムイオン電池では、高エネルギー密度化、薄型化が進み、ポリマー・ラミネート型の超薄型電池も実機に搭載されはじめました。一方で、ニッケル水素電池と比較したときのコスト高から、セル自体の低コスト化のみならず、過充電時の事故防止のために必須とされている保護回路を削除もしくは簡素化しようという動きも活発となっています。


 以下は、リチウムイオン電池を中心とした小型二次電池の2001年中頃の状況です。

 

 携帯電話、ノートパソコンを中心とする携帯機器の要である小型二次電池は、携帯機器の急激な発展に要請されて、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池を中心に高エネルギー密度化と薄型化が進展しています。

ニッケルカドミウム電池

 この中で、30年以上の歴史を有するニカド電池は、環境問題があるため規制が強化されつつあり、漸減傾向にありますが、二次電池の中で最大の大電流が取り出せることから、電動工具等に根強い需要があり、生産は横這い状態が続いています。

ニッケル水素電池

 ニカド電池の約2倍のエネルギー密度を有するニッケル水素電池は、リチウムイオンに対しては、重量エネルギー密度で大きく劣りますが、リチウムイオンと同程度の容積エネルギー密度が得られ、かつ、安価であることから、海外携帯電話を中心に、なお需要は年率50%近い伸張があります。携帯電話では薄型化の要請が強く、8.4mm径の小型円筒タイプなど、新製品発表も続いています。

リチウムイオン電池

 リチウムイオン電池は、重量エネルギー密度、容積エネルギー密度が大きく、メモリー効果がないこと、公称電圧が3.7Vと高いことなどから、小型モバイル機器に最も適しているため、大きな伸張が続いており、技術進歩も急展開に進んでいます。


リチウムイオン電池

リチウムイオン電池セルへの安全性要求